モノもカネも情報も《ヒト》で動く
経営資源は、ヒト、モノ、カネに情報+α等と言われますが、ヒトが動かなければ他の3要素+αは動きません。そこに会計事務所の《ヒト指導》の理由があるのです。
(執筆:森 克宣 株式会社エフ・ビー・サイブ研究所)
1.ヒトが動かなければ事業は動かない
ヒトが《その気》にならなければ、ビジネスもマネジメントも動きません。そして、特にマネジメントに関しては《経営者》をその気にさせるのは至難の業だと言われます。
その背景には『中堅中小企業の経営者のマネジメント意識が低いから』とされることが多いようです。しかし、本当に経営者意識は低いのでしょうか。
2.頑張りが成果を生まない実情下で…
否、それどころか多くの経営者が、もっと《効果的な経営》をしたいと嘆いているのではないでしょうか。それにもかかわらず『現場が動いてくれない』『現場はマネジメント業務を余計な仕事だと感じている』のが中堅中小企業の実情だとも言えるのです。
そして、昨今のように《ただ頑張る》だけでは成果が出ない状況下では、その《実情》の中に会計事務所の役割が見えて来るのです。
3.会計事務所が果たす重要な役割は?
その《役割》とは《特に現場の管理者やリーダーの意識付け》です。それは、経営者に代わって《現場》のマネジメント意識に《火を付ける》ことを意味します。その際、最初は《小さい火》でも、その方向性さえ間違わなければ《強烈な火=意識》が育ち始めるケースは、決して少なくありません。
では経営者はなぜ、そんな《小さな火》を灯せないのでしょうか。それは、経営者が《事業推進者》であって《教育者》ではないからです。
4.威圧されることを嫌う現代的感性
事業推進者は《事業成果》を求めます。そして現場に《目標=ノルマ》を課し、アメとムチで組織を《成果活動》へと導きます。それはつい最近まで、組織の《ヒト・マネジメントの原型》でした。
そんな原型に対して、《働くヒトの意識変化》を背景に、有言無言の《現場の抵抗》が生まれ始めます。2000年代の初め頃からでしょうか。そしてついには、大企業に2020年、中小企業に2022年に、いわゆる《パワハラ防止法》が施行されてしまうのです。
5.もはや威圧では組織を動かせない
そして《組織を動かす》ためには、経営者や現場の管理者には《威圧》ではなく《教育的指導》が求められるようになりました。ただ、そんな《動かし方》に慣れていない経営者や管理者は《立ち往生》してしまいます。
しかし《立ち往生》に陥るのは、《効果的》で、しかも部分的にでも《即効性》を持つ教育指導法に、『経営陣がまだ気付いていない』からでしょう。
6.教育的指導が即効性を持ち得るか
ただ本当に《教育的指導》に即効性があると言えるのでしょうか。少なくとも今や、《現場の反感を買う威圧的方法》よりは、はるかに効果があると言えます。
しかも、《現場指導》に際して、現場の管理者が着実に上がれる《階段の第一段目》を明示するなら、その一段を上がるだけで《効果》が出始めるはずなのです。
7.マネジメントを《自分事》にする
その《第一段目の階段》とは、管理者が《自分の現場の可能性や問題》を具体的に捉えてそれを表現することです。そして、その可能性が《少しでも実現》し、問題が《少しでも解消》するなら、それが何らかの形で《業績や資金繰り》を好転させると《思える》ことに他なりません。
《トップ・マネジメント》が変わるべきであるのと同様、《現場のマネジメント》も変わらなければなりません。
8.組織の教育的指導の変化の方向性
その教育的指導の《変化の方向》は、知識や方法を教えるものから《管理者の内面にある可能性や問題への意識を引出す》ところから始まります。管理者の内面にある思いは、《業績獲得に向けたマネジメント》が《管理者の自分事》になる起点だからです。
そしてそれは同時に、現場の管理者やリーダーが《部下の指導法を具体的にイメージする起爆剤》でもあり得るからです。
9.2026年に開始するプロジェクト
もちろん、何事も一朝一夕には実現しないかも知れません。しかし、明確で具体な第一歩が出来上がるなら、その先の第二歩以降も《具体的》になって行くはずなのです。
2026年は、そんな《プロジェクト》に取り組みたいと考えています。もちろん、目指す所は《計画的な経営=(別名)マネジメント》法の中堅中小企業への普及です。しかも、一気に完成形を目指すのではなく、実現可能な成果を積み上げることで《取り組みやすい》方法を実現することを目指します。
10.会計事務所の最終的ポジション
会計事務所の最終的なポジションは、月次試算表の確実な分析でも、資金収支や収益の改善指導でも、予算や経営計画や事業承継計画でも、様々な形になると思います。
しかし、大事なことは、何かの手法を実現することではなく、《現場に存在する可能性や問題》を見つけて、その《実現や解消に計画的に取り組む》という組織活動と、それを支える組織文化の形成だと申し上げたいと思います。
