税制改正のような《解説型》のセミナーはうまく進められても、たとえば事業承継や計画経営等、いわゆる《経営》をテーマにしたセミナーでは、なかなか経営者の反響が得られないというケースがあります。
セミナーを、会計事務所の顧客獲得や新規提案の契機に活用するためには、どうすべきなのでしょうか。

1.経営者受けが良いセミナーと悪いセミナー

たとえば毎年の税制改正は、不動産の経営者でなくとも『知っておきたい』ことです。知ってからどうするかは、その後で考えたり教えてもらったりしても、遅くない気がします。そのため、セミナー終了後の《無料相談会》も、結構盛況になり得ます。
しかし、同じ税制改正でも『事業承継税制』では、もはや話が変わって来ます。税制の詳細を話しても、経営者の感心は勝ち取れないし、その後の相談にも、勢いがないのです。
それが、予実管理や経営計画の話になると、経営者の関心はもっと遠のく気がします。いったいなぜなのでしょうか。

2.税制改正講座には動機付けられた人が来る

それは毎年の税制改正に集まる人は、集まった時点で《明確な動機》を抱いているからです。その際の動機とは『納税額増大の回避や納税額圧縮を狙いたい』というものでしょうし、『顧客に税について教えたい』という、いずれも《行動動機》でしょう。
あるいは、それ以前の問題として、『今年の税制改正は、私に関係があるかどうかを知っておきたい』という《知識動機》なのかも知れません。
いずれにしても《事前動機》を持っているため、淡々と《見識を披露》するだけで、有効なセミナーが成立しやすいのです。

3.単に解説に終わりたくないセミナーでは…

ところが、予実管理や経営計画あるいは決算分析法等、経営に直結する話や、事業承継や相続対策のように、経営者個人にも大きなかかわりを持つ課題でも、単に内容や方法を開示しただけでは、《その内容を勉強したい人》以外には、なかなか共感されません。
それどころか、貴重な《経営法》に対し『机上の空論だ』『大企業の理屈だろう』等と言われてしまうこともあるのです。
そのため、セミナーを始める前にも、セミナーの最中でも、先生方からの『意図的な《動機付け》が必要になるのです。

4.経営判断の的確さと迅速性がもたらす効果

たとえば、計画経営に正面から取り組んでいたA社は、自社の事業収支や資金収支、あるいは在庫やその他の資産状況等をデータで把握できるため、緊急時にも『ここまでなら耐えられる。その間に、この部分を補強しよう』等という《経営判断》を迅速に行えます。
ところが、無管理状態の企業では、緊急事態に際して《状況把握》に時間が掛かってしまい、対応が後手に回る懸念が強いのです。
昨今のように、何が起きるか分からない経営環境下では、この《経営判断》の迅速性と確実性は、そのまま事業の死活を決めてしまう…、と、たとえばそんな動機付けが、セミナーの中で必要になるということです。
もちろん、計画的に事業機会を拡大して行く時のような、前向きの事例で動機付けるケースもあるでしょう。

5.前のめりの聞き手が興ざめしてしまう時

だたし、そればかりではありません。
テーマが計画経営でも事業承継でも、あるいは管理決算の導入のような踏み込んだ内容でも、聞き手は、必ずしも、その詳しい内容を知りたくなるわけではないからです。特に行動を動機付けられた人は、その内容に興ざめしてしまうことも少なくありません。
その結果『それは机上の空論だ』とか『大企業での話だろう』と言いたくなるのだと思います。では、動機付けられた人は、《何を知りたい》のでしょうか。

6.内容を詳しく話すよりも効果的な《話題》

テーマの概要や要点は必須だとしても、動機付けされた聞き手にとっては『それに取り組むイメージやステップが重要になる』からです。
何から手を付けて、どんなことにどのように取り組めばよいのでしょうか。そして、標準的な方法が自社に合わない場合、先生は自社向けに《カスタマイズ》してくれるのでしょうか。
更には、テーマに取り組みたいけれど、基礎知識に不安がある時、先生は《入門研修》のようなものをしてくれるのでしょうか。

7.一見《亜流》なものの中にある判断材料

テーマから捉えると、一見《亜流》にも見える取り組みのイメージや、その期待効果が、聞き手の共感を誘うケースは少なくありません。なぜなら聞き手に『取り組んでみたい』という判断をさせるのは、内容ではなく『取り組み方法』だからです。
たとえば経営者にゴルフを教える時、スウィングの極意を語るより、『私、良い練習場を知っていますので、一度一緒に行きませんか。そこには道具もレンタルで揃っています』と言う方が、行動の敷居が低くなるでしょう。

8.まずは動機付けセミナーの事例検証から…

そうした視点から、このサイトでは、いくつかのセミナーを、パワーポイントやレジメやキャッチツールを組み合わせた《編集や修正が可能なツールキット》として、ご紹介しています。その種類は、時宜に応じて増やしています。
そして、《キット》ではなく《自事務所オリジナル》を作りたいとされる方々には、《動機付けセミナー》の組み立て方について、以下の講座でその《手法》を公開していますし、個別のご相談にも応じています。
セミナーに力を入れるのは、日々の活動に追われる経営者層に、新たな刺激を提供するには、まとまった時間で集中的に考えてもらうセミナー以上に効果的な方法はないからです。もちろん、大勢を集めるセミナーではなく、1人の経営者や1社の役員会を動機付ける時も、セミナー流の話し方やセミナーツールが役に立つことは、既に立証済みです。

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