1.契約獲得力に優れた先生の秘密とは?

確かに、士業先生には《営業》が苦手な方々が多く見受けられます。そもそも、資格取得と営業活動とは、世界が違うからかも知れません。  
ところが、実際に『次々に契約を獲得する先生』がおられます。ただ、そこには単なる営業力と言うよりは、《チャンス創造力》や《話の聞き手に対する指導力》のようなものを感じさせるのです。
そして、そうした《印象》の中に、重大な《秘密》がありそうなのです。

2.秘密の①:先生の《ポジショニング》

その秘密の第1は、《先生としてのポジショニング》です。もちろん士業資格は、それ自体重要なポジションですが、経営者は専門見識ばかりではなく《マネジメントに関わる現実的な見識》も求めているはずです。単に決算業務を委託するだけなら、代行業者やシステムでも可能かも知れないからです。
そのため、営業力があるとされる先生は《業績管理の意味の開示》に余念がないはずなのです。その手段はホームページやブログかも知れませんし、メールやレポートの発信かも知れません。
しかも、その内容の骨格は《業績管理のあり方で経営判断が左右》され、《経営判断のあり方で業績が変わる》という分かりやすいコンセプトに貫かれていることが多いのです。

3.秘密の②:実績よりも経営事例を語る

ただし、そんな《経営支援者としてのポジション》を経営陣に感じ取ってもらうためには、理屈や実績よりも《実践事例の紹介》が重要になるはずです。
たとえば、経営判断をより確かにする業績分析のイメージや、更に長期的な判断のための計画経営の実相や、経営者の重要な人生判断をも含む事業承継の現実的な姿等は、あるべき論よりも《事例》の方が認識しやすいばかりではなく、刺激的だからです。
それも1つや2つではなく、『この先生は、たくさん事例を知っている』という印象に繋がるなら、上記①のポジションは、更に強くかつ有効になって行きます。

4.秘密の③:営業以前のマーケティング

その《事例発信》活動は、専門業のような《見識ビジネス》には不可欠なマーケティングでしょう。マーケティングは、自分の市場を創る活動ですが、《事例発信》によって、それに興味を抱く顧客候補を発見できるからです。顧客層からの直接的な反響がない時でも、《経営支援事例を語る》なら、先生からのアプローチに、顧客層も邪険な態度はとりにくくなるはずです。
《見識ビジネス》でのマーケティングは、《事例》による《顧客の意識刺激》によって、話を聞く顧客候補を創り出すことであり、その《事例の内容》によって、先生の《経営支援力》を感じさせる活動だと言えるのです。

5.秘密の④:内容と支援料が明瞭な提案

もちろん、信頼関係形成だけでは《顧問契約》や《計画経営等の長期契約》あるいは《事業承継対策等の大きなスポット契約》等を実らせることはできません。効果や内容と支援料が明確な《提案》が必要になるのです。
しかも、口頭でのオファーを重ねても、その内容が明確には残らないため、分かりやすい《提案書》が必須になります。
支援料の明瞭化は、確かに容易とは言えませんが、《経験を重ねる中で先生方の生産性が上がる》と捉えるなら、最初から意気込み過ぎる必要はないかも知れません。

6.秘密の⑤:既契約先を大切にする活動

更に、契約獲得力のある先生は、多くの場合、顧問先や関与先への《意識付けの継続》も大事にされます。契約後も、単に《業務を提供するだけではない》のです。その際にも、そうした意識付けの方法を難しくは捉えず、たとえば顧客開拓のための《事例発信》を、既契約先にも送付するという《発想》転換で実現されるケースが、しばしば見受けられるのです。
契約は信頼の証で、信頼は《深い対話》の素になります。そんな深い対話の中では、経営支援内容の進化ばかりか、新たな追加契約の芽も生まれやすいからでしょう。
既契約先への新たな提案機会発掘というタイプのマーケティング活動は、この《深い対話を促進する共通話題の形成》の結果だと言えるのです。

7.秘密の⑥:必要ないことの大胆な削除

市場創造活動であれ、既存先との交流であれ、経営陣との《対話》の機会が多くかつ深くなると『自事務所サービスの中で提供が不要な部分が見えて来る』こともあるでしょう。
昨今では《やむを得ず》というケースが増えましたが、たとえばコロナ禍の前でも、『訪問は必ずしも必須サービスではない』と気付くこともあるからです。しかも、メールや電話で要点だけをサポートする方が、面談で余計な時間を使うよりも喜ばれることもあるようです。
面談の有無に限らず《顧客層との深い対話》が、必要のないサービスの削減に役立つなら、そこで生まれた余力を、新たな《相談》からの《Win-Win発想商談》に繋ぐような、積極的な方向へ、経営支援サービスを進化させて行くことも可能になります。

8.マーケティングは《手間勝負》の世界

いずれにしましても、マーケティング活動、つまり顧客創造と自事務所のサービス力強化のための活動は、自分の都合だけを考えていては成立しません。相手のために《一手間掛ける》意志が求められるのです。
そんな《意志を持った活動》を日常的に心掛けることなく、自事務所の都合で、たとえばDM発信を行っても、成果がないのは当然かも知れません。
しかし、マーケティングが日常活動上の《一手間》であるとするなら、できるだけ《その負担を軽減》したいのも現実です。
そこで、このコーナーでは《見識ビジネス》特有のマーケティング手法と、その際の事務所負担を、できるだけ軽減する方法を、ご一緒に考えて行きたいと思います。

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